経済産業省レポートから見る、サービス業界”生産性”の課題

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本記事の読者のほとんどは、サービス業に携わっているか、もしくはサービス業の今後の展開に興味をお持ちの方々かと思います。

そんな方々にとって興味深いであろうレポートが、2022年3月に発表されました。
経済産業省 サービス産業×生産性研究会が発表した「サービス生産性レポート」です。
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/service_sangyo/pdf/20220328_1.pdf

94ページにわたる文量の多い資料となっていますが、サービス業全体に関わる重要な示唆やデータが含まれてます。今回はその一部を抜粋しながらこのレポートの内容について紹介していきます。

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目次

本レポートで特に重要なポイント2点

まず、レポート全体を通してどんなことが語られているか。総括としては以下の通りです(一部抜粋)。

GDP の7割、就業者数の7割を占めるサービス産業の生産性の低さは、すなわち「一人当たり国民所得の低さ」を表すものであり、我が国経済の長年の課題であるが、ここ数年、就労環境の変化や消費スタイル・顧客接点の変化、クラウドの普及によるIT化の容易化など、サービス産業をとりまく環境にはさまざまな変化がある。

特に、2020 年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症流行の長期化が、経済・産業・社会の構造変化(ニュー・ノーマル社会)を生み出し、それがサービス産業にさらなるレジリエンス(事態対応力)を求めるようになった。

その中で、サービス産業の事業者がポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応していくためには、状況に応じた業態転換や新分野への展開を迅速に図っていくことが必要になる。

引用:経済産業省「サービス産業×生産性研究会」報告書 -2022/3
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/service_sangyo/pdf/20220328_1.pdf

詳細については元のレポートをご覧いただければと思いますが、本記事で特にご紹介したいのは以下2つのポイントです。

  1. サービス業全体の課題として、労働生産性を高めることが急務
  2. 業種を問わず“接客が発生する”サービス業で、労働生産性を高めるために必要な考え方とツールについて

それぞれについて、もう少しかみ砕いてご説明します。

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1つ目のポイント:サービス業界全体の課題

労働生産性とは?

このレポートにおいて、「生産性」を考える際に最も分かりやすい概念として「労働生産性」が用いられています。式に表すと以下の通りです。

引用:第1章 はじめに 「労働生産性の低さ」は、つまり「一人当たり国民所得の低さ」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/service_sangyo/pdf/20220328_1.pdf

そして、以下のような記述もあります。

対人サービス業では、サービスの生産と消費が同時に行われるという特徴がある。

(中略)

サービス業には所謂『手待ち時間』が発生しがちであり、これは生産性を阻害する要因になる。
他方、IT やビッグデータの活用は、こうした構造的課題を克服する可能性を有している。テクノロジーを活用し、サービス産業の生産性向上を促すことは重要な政策である。

引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/service_sangyo/pdf/20220328_1.pdf

ここで挙げられているポイントは単純に見えますが、多く存在するオンライン接客サービスでも実は一部が放棄されがちであることも多く、導入を検討される企業様にとってはこの点は重要と言えそうです。
そしてこれは、広義のオンライン接客ではなく”遠隔接客“サービスと銘打つ「RURA」では最も力を入れている、そして力を発揮したい事柄でもあります。

※レポートでは業種別の記載もありますので、詳細が気になる方は、元のレポートを参照ください。
レポートの中で紹介されている業種は以下です。

  • 飲食業
  • 宿泊業
  • 生活関連サービス(葬儀業、結婚式場業、結婚相手紹介サービス業、ネイルサービス業、写真業)
  • 娯楽業(ゴルフ場、ゴルフ練習場、ボウリング場業)
  • 医療・福祉業(介護、保育)
  • 教育・学習支援業(教育業、学習塾)
  • その他(家事サービス業、コールセンター業、自動車運航管理業)

思うように伸びていない生産性

目標となっていた値に対して成長率が思うように伸びていないというのが、レポートにおける結論でした。

詳細に書くと、以下の通りです。
・付加価値額(実質GDP)は微増
・労働人口は増加(特に女性の成長率が高い)
・労働時間は減少
・2020年までに前年比2.0%の成長率を目指すも、2019年度の実績として0.66%に留まる。

引用:(2)労働生産性の要素分解(総付加価値額推移、労働投入量推移)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/service_sangyo/pdf/20220328_1.pdf

サービス業の事業者へのヒアリングから見えたこと

業種別に状況や課題は細かくは異なるものの、全体としては以下の通りまとめられていました。

ヒアリング結果まとめ
1. 人的資源の有効活用について
・人手不足で賃金が上昇傾向の中、業務の標準化や変形労働時間制の活用等により、雇用を柔軟に吸収していく必要がある。
・売上予測に基づく効率的なシフト管理や、閑散期に従業員を他業種へ従事させるような取り組みも有効である可能性。
2. 人材育成・人材投資について
・労働集約型産業であるため、人材育成が大事。従業員に求められる付加価値が事業環境とともに変化するようなケースも。
・スキル向上のための研修や、昇給等によるモチベーションアップの仕組み作りが有効か。
ITリテラシーの問題により十分にIT導入が進んでいないケースも
3. 施設・設備の有効活用について
時期や時間帯等で繁閑の差があることから、閑散期にも施設や土地を有効に活用していくための新
しいサービスの展開
が重要。
・医療・福祉業では、硬直的な人員配置基準や報酬減算等の規制が効率化を阻害している可能
性。
4. 設備等の投資・革新について
・新型コロナウイルスの影響により、オンライン化への対応を含めたシステム投資が必要となる中、小規模事業者単独では投資余力がなく対応が難しい。
ITツールそのものに課題がある場合、業務効率化に繋がらないため、現場の実態に即した開発を
進める余地
がある。
5. 付加価値の向上について
・婚姻件数の減少や葬儀1件当たりの規模・単価の縮小等、市場の成長が必ずしも見込めない中、新たな顧客獲得や付加価値の高いサービスの拡大を図ることが有用。
・単価と席数で売上の上限が決まってしまう上、一般にサービスは価格が安いものが好まれる、低価
格競争を追求する方向に行きやすい等の価格の押し下げ要因が存在
・新型コロナウイルスにより、消費者は価格が高くても安全面を重視する傾向。過剰なサービスを見直すチャンスになっている側面も。

引用:2. 業種別要因分析① 事業者ヒアリング(定性分析) -ヒアリング結果まとめ

遠隔接客サービス市場に携わる筆者としても、日々様々な企業のご相談に乗る中でも語られる内容が多く含まれており、現実に即した内容であると感じます。

ではここからは、その視点で特に重要と思われる部分について抜粋してご説明します。

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2つ目のポイント:労働生産性を高めるために必要な考え方とは

今回ご紹介した労働生産性の定義に則り、生産性を上げる方法を考えれば
・売上を上げる(厳密にはGDPとは違いはありますが)
・労働人口を減らす
・労働時間を減らす
ことが必要になるわけですが、当然そう単純な話ではありません。

また、ここには「2030年までにサービス業界だけで400万人という規模の圧倒的な量の人手不足の発生が必然的に発生(※)すること」も考え合わせなければいけません。
※参考:パーソル総合研究所 労働市場の未来推計 2030 (https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2030/

これらすべてに配慮した方策であるなら、少なくともお客様が目的を持って来店・来場する店舗において
提供価値の低下につながってしまう「単なるwebツールの導入」にならないための検討を行うべきです。

これらを考え合わせると、解決に向けて動くべき方向性とはつまり以下のようなものになるでしょう。

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目的実現のためのツール選定は慎重に。ぜひご相談ください。

今回は、経済産業省 サービス産業×生産性研究会が発表した「サービス生産性レポート」の内容を元に、
サービス業において、最重要課題ともいえる”労働生産性”とその高め方についてご紹介してきました。

正解や即効性のあるやり方を見つけることは難しい課題ではありますが、今回の記事で、ひとつでも参考になる情報との出会いや気づきが生まれていれば幸いです。

弊社では、「体験を損なわない設計を重視した」遠隔接客サービス導入のご相談もお受けしております。
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